9月 172013
 

今年最大の、いや今までの人生で最大の挑戦となった信越五岳を無事にフル完走出来ました。
長い大会なので既に記憶が薄れ始めてますが、参戦記を残したいと思います。

前々日:

大会の天気予報が悪くてテンションダウン。
天気が良くても完走できるか怪しいのに、ずっと雨だったらまったく自信が無い。
なんかやけ酒じゃないんだけど、少し飲み過ぎちゃいました。

前日:

7時過ぎに仙台から出発。
高速を下りてから妙高高原駅前のそば屋さんで食事。
そして会場へ行って受付。
受付後、本日の宿にチェックインしてから会場へ戻る。
コースガイダンス、競技説明、ウェルカムパーティ等々。

そうそう、会場でけん玉の上手い人が居たので話しかけてみました。
大阪から来てるそうで、かの有名なKendama USAのJapan tourにも立ち会ったそうです。
子供達の相手もしてくれてとても楽しい方でした。

話を戻し、ウェルカムパーティから少し早めに宿に戻って、シャワー。
膝や体にテーピングをしてから就寝。
起きるまで5時間くらいは寝れる計算だったけど、何回か眼覚めましたね。
ちなみにウェルカムパーティではビールは我慢しました。

当日(15日):

2:40起床。雨は降ってないみたい。
昨日貼ってなかった足へのテーピング、ボルダースポーツ、ワセリン塗り等々。
着替えたらスイッチが入った気がした。

4時過ぎに会場へ。
朝食への列に並び飯。
あまり食欲は無いけど、食べれるだけ食べる。
VESPA PROも。

あっという間にスタート時間が近づく。
長蛇のトイレの列に並ぶ。スタート時間に間に合うか微妙。
前の人が「5分くらい遅れてスタートしても大丈夫でしょ」といってる。
確かにそうだけど、せっかくなのでカウントダウンからその場に居たい。
ギリギリでトイレに入れてダッシュでスタート地点へ。すぐにカウントダウンしてスタート!

雨予報だったのでカメラは持ちませんでした。

スタート → 1A 2時間5分58秒

最初にゲレンデの登りがあり、それ以降は走り易い道。
先は長いので、登りは歩き、下りは腕をだらーんとしてリラックスしながら走る。
後半は緩い登り基調かな。ここは走ってました。
結構良いペースで走れてると思ってたけど、
途中会話した人が「前参加した時は制限時間1分前のゴールだったんです。」
と言うので、あれっ?このペースって完走ギリギリなの?とちょっと不安に。
少し下ってから1A。

ムサシ、コーラを飲み、パワーバーを貰ってすぐに出発。
滞在25秒。

1A → 2A 59分55秒

1Aからは斑尾山の登り。
結構登ってるけど、スタートしたばかりなので体力的には問題ない。
が、さっきエイドでもらったパワーバーを、にっちゃにっちゃ食べるのが大変(^^;
心拍高いと喉通らないんですよね。

登り途中でもちょっと平らな場所があったら走り。
登りはどうしても時間かかるので、走れる場所は走るのが当然みたいな雰囲気。

斑尾山山頂あたりに距離表示があり、残り89㎞とか書いてある(笑)
そっからは快適な下りとあったけど、思ってたよりも急な下りで走り難かった。
どうも急な下りは膝への負担が高くて好きじゃないなぁ。
下りきってアシスタントポイントの2Aへ。

妻にアシスタントを頼んでたけど、何をしていいか分からずにオロオロしてた。
ボトルに水入れてもらったり、ジェルの補給を頼む。
これ以降のエイドではコツがわかってきて、スムーズに色々手伝ってくれました。
滞在時間7分3秒。あっという間に時間が経つなぁ。

2A → 3A 2時間3分46秒

雨が降って来たけど、樹林帯なのでたいして濡れない。
雨を覚悟してカッパ上下を持って行ったけど、結局雨らしい雨はここくらいだったかも。
走り易い道と走れない登りの組み合わせ。

袴岳への登りの途中、前の方々が引き返してくる。
蜂の御登場でした。
自分はカッパ来て通過するくらいしか思い浮かばなかったけど、先頭の方が藪漕ぎショートカットを提案。
道はつづら折れだったので、藪をちょっと進んだら上に抜けました。
素晴らしいアイディアに感謝!

袴岳の山頂を通過し、スイッチバックの下り。
そこを過ぎたらずっと走り易い道。
ただ3Aまでの距離もあるので、疲れてきました。
3Aでも既に40㎞近いので、ほぼ自分の最長距離なんですよね。
3A着。家族が応援してくれてるけど、ここはアシスタントポイントじゃないので直接のサポートは禁止。

↓3A到着時。三男とタッチ!
2013091501

バナナ、ムサシ、コーラ、饅頭、ボトルへの水の補給をして出発。
胃は大丈夫だけど、ジェルは予定の半分くらいしか摂れてない。
滞在時間11分12秒。疲れて滞在時間長くなってきた。

3A → 4A 2時間1分27秒

キツイと噂の関川。
緩い登りだけど殆ど走れますね。体力があれば…
自分は1/3くらいは走れたかな?後は早歩き。
確かにここで走るか歩くかはタイムに大きく影響しますね。

抜ける前に宴会隊エイド。お茶が美味しい!感謝!!
そして応援ポイントで妻発見。挨拶して通過。

ここからかなりきつい登りでした。
登りきってからは基本的に走り易い道。
途中急な階段あったかも。
走り易いんだけど、4A手前で疲れて走りきれなかったです。
やっとの思いで4A到着。膝も痛い。

4Aについて子供が自分の体触ったら「冷たい」と。
自分も寒くてガクガク震えてる。
そんなに寒い気がしなかったけど、どうやらエネルギー切れっぽい。
タオルかけてもらって、温まりながら補給。
笹寿司もごちそうになりました。

そして最初のロキソニン投入。(計画では4Aと6Aで痛み止めを取る予定)
既に50㎞を過ぎて、自分の最長距離更新中。やはり体は痛い。
距離の分かるGPS腕時計を充電のために妻に渡す。
次の区間は距離が分からないけど頑張る。
滞在18分32秒。

4A → 5A 2時間42分40秒

スタートから林道の登り。
ここはキツイと聞いてたので、ずっと歩き。
4A手前の走った区間よりは楽。
ここは何人かと話しながらだったので、気分的にも楽しかった。
痛み止めも途中で効いてきた。

7㎞くらい行ってから脇道に逸れ、そっから発電所までの激下り。
揺れて面白い吊り橋を渡った後は、スイッチバックの激登り。
登りきってからは気持ちの良いトレイル。
ここは走るポイントなんだろうけど、自分は平地と下り以外は歩き。

そのうち牧場を抜けて5Aに到着。
5Aはペーサーが待機してる場所なのでとても華やか。
ここまで66㎞。残り44㎞、フルマラソン1回分。短い!(いやまだまだ長い!w)

ここでTシャツを一枚中に着こんで、ヘッデン等も装備。
4Aで渡したGPS腕時計を受け取る。これでゴール付近まで持つはず。
スープパスタやら何やらを補給。
スタートしようとしたけど、コンタクトがとても痛かったので、使い捨てのソフトコンタクトに交換。
結構時間使っちゃいました。でも気分はリフレッシュ。
滞在28分36秒。

↓5A出発時の様子。いよいよここから。
2013091502

5A → 6A 2時間28分

ここまで各区間で、予定していたタイムよりも10分~20分くらい早いペースで進めてる。
もちろん疲れはあるけど、心が折れることなく進んできた。
エイド間隔が近くて、次のエイドだけを考えて進めばそれほど長くないのが良いのかも。

この区間は最初から山場だと感じていた。
6Aに着きさえすれば残りはわずか30㎞だし、7A,8Aはとても短い間隔にある。
ただこの区間は14.4kmと長く、暗くなるので若干の不安があった。

スタートして階段を登ってから快適なトレイルが続く。
周りの人はペーサーを付けてる人が多いけど、自分は一人旅。
やはりそれなりの寂しさは感じました。

給水ポイントを過ぎて、黒姫山脇の登山道へ。
事前のアナウンスにあったように、道はぬかるんでてあまり良くない。
ここまでの疲れも出て来てるし、暗くなってヘッデンの出番にもなった。
6Aには家族は応援に来てないはずなので、それもまた寂しいところ。

登りきってからの下りはなるべく走って6Aへ。
ここで完走を確信した。
時間は十分にあるので、残り30㎞は歩きでも何とかなるだろう。
諦める理由などどこにもない。

6Aは何を食べたっけ?
忘れたけど、家族がいないエイドに長居したくは無かった。
本来ここで2個目のロキソニンを飲むはずだったけど、痛みが我慢できそうだったので後半を考慮し7Aで飲むことにする。
滞在時間3分37秒。

6A → 7A 1時間5分35秒

この区間は6.0kmと短いので気が楽。
舗装路→木道→戸隠神社の参道と進む。
残念だけど殆ど走れなくなっていた。
参道はがっつら登ってて辛いところだったけど、周りも歩いてるので差がつかなくて良い。

登りきってから脇に入り、木道の下り。
滑るけどここは走った。あっという間に7Aへ。
何補給したかな?味噌汁飲んだような。
とにかくジェルが甘くて受け付けなくなってきてたので、塩っ気のあるものはとても美味しい。
どのエイドでもバナナは食べてました。バナナは甘さも我慢できるし、水分もあるので喉を通りやすいです。
スタートしようとしてからロキソニン飲むの忘れてたの思い出して、戻って飲む。

滞在時間6分26秒

7A → 8A 58分55秒

この区間も5.3㎞と短いが、事前の説明にあったように登り基調だった。
登りはまったく走れなくて、平地と下りのみ軽く走る。
明らかに周りの人達より走ってない気がした。

後半エイドも近づいてきたころ、後から「歩いてたら関門に引っかかりますよ」と走ってる人が来た。
8Aの関門は24:00のはず、今はまだ21時ちょとだ。最初は何か勘違いしてるんじゃないの?と思った。
けど話を聞くと台風予報のため、急きょ関門時間を21:15にするとの事。
GPSを見ると残り1.6㎞、時間は残り9分…

無理だろ…
取りあえず走り始めた。全力ならなんとかなるかも。
そこは結構な集団だったので、皆で全力で走った。
しかしそこから関門までは登りだった。後でGPSログ見たら50mくらい登ってた。
90㎞を過ぎての全力疾走。苦しい。

関門が繰り上がったならここで止めても言い訳になるんじゃないか?という考えが頭をよぎる。
ここまで十分頑張ったじゃないか…
でも頭の片隅では気付いていた。残り何分か全てを出し切らないと、ずっと後悔する事になると。

周りの人もスタッフも「諦めるな、頑張れ」と声を掛け合う。
登りでは力尽きた人が歩いてる。
エイドの明かりが見えてきた、やった間に合うと思ったのも束の間。
道はエイドまで回り込んで登ってる。
そこを全力で登り、エイドまで行くけど何か変な雰囲気。
そう関門はエイドを出たとこにあるので、もう少し先まで行かないと駄目だった。
妻が子供を抱っこして走ってるのが見えた「どっち行けばいい?」と聞いて関門方向へダッシュ。

残り30秒くらいで、関門をなんとか通過。

暫くの放心状態ののち、ん?エイドどうなるの?と聞いてみたら、
「エイドには戻れません、水は今運んできます。」との事。
あぁぁぁ、俺の蕎麦が....orz

もう甘いものが喉を通らなくなってきてたので、8Aの蕎麦を楽しみにしてたのに。
おかわりするつもりだったのに…

しゃり玉、バナナ、水はスタッフの方が運んできてくれました。
そして自分は妻がいたので、最低限の補給は出来たのでまだましでした。
でも腹の減りは収まらず…

疲れたけど前に進み続けるしかない。
滞在時間13分41秒

8A → ゴール 4時間25分28秒

最後は瑪瑙山の登り。泉ヶ岳くらいな感じ。
周りの人と同じくらいのペースで淡々と。
心の準備をしてたので山頂までは良かった。

下りで一気に膝の痛みが出て走れなくなる。
ゲレンデを下り、そこからトレイルの下り。
ここで最後のジェルを摂る。
正確にはジェルはもっと持ってるけど、次にこの甘さを口に入れたら吐くと確信。
もう、100mくらいの登り返し1回だけだから何とかなるだろう。
この時は、たとえハンガーノックになってもジェルを口に入れるよりはマシだと思った。

最後の登り返しは瑪瑙山より辛かったかも。
ピークのスタッフを見たときは嬉しかった。
そこから登山道を下り、最後の給水ポイントへ。
明るい雰囲気で居心地が良かったけど、前へ進まないと。
残すは林道7㎞。

下りと言われたけど、どう見ても軽く登ってる林道。
ここでハンガーノックのせいか、立ち眩みがしてふらふら。
ちょっと走ってみると、走った後のめまいがヤバいので、殆ど歩き。
今日一日で唯一この林道区間だけ心底辛かった。
それ以外の場所も辛かったけど、止めたいとは思わなかった。

途中の関門は短くなったけど、ゴール時間はそのままと聞いていたので完走は間違いない。
歩きなので距離の減りはとても遅いけど、確実に近づいてきてる。

ゴール間際。突如として暗い中に見えてくるゴール。
なんてかっこいいゴールゲートなんだ!
時間はAM2:00前。子供達も寝てるよな…
そう思いながらゆっくりゴールへ近づくと、家族がみんな待っててくれた。
自然と涙が出てきた。

そして子供達と一緒にゲートをこえた…

エピローグ:

最後ちょっとくさい感じでしたね(笑)
まあ、自分の中ではそれくらい感動したわけです。

全てが紙一重でラッキーなフル完走でした。
スタートギリギリでトイレでウ○コ出て無かったら、途中で寄って8Aで終わってたでしょう。
雨予報じゃなくてカメラ持ってたら、写真撮る時間分停滞して間に合わなかったかも。
8A手前で関門時間の変更を教えてくれる人が居なかったら?

そして計画では8Aは22:50通過予定でした。
しかし序盤から頑張ってタイムを詰めてきた結果、計画より1時間半も早く8Aに到着しギリギリだったのです。
努力と運と全てが調和したと思わずにはいれませんでした。

応援して下さった方の言葉も、家族のサポートもすべてが必要でした。
スタッフの方の「ナイスラン」という声もエネルギーになりました。
ペーサーをつけずに一人で完走すると意気込んでたけど、結局一人では無かったのだと気付かされました。

自分にとっては完走が全ての目標でしたが、翌日の表彰式でケロッとしてる人が多いのにショックを受けました。
新たな世界を垣間見た気がします。

この距離は自分にはやり過ぎだなと思う反面、もっと強くなれるのかなと思ってる自分も居ます。
自分はウルトラの世界に足を踏み入れてしまったのか、それともただの通りすがりとなるのか。

取りあえず暫くは休んで美味い物でも食べながら余韻に浸りたいと思います。

20130915

大会関係者の方、ボランティアの方、本当にありがとうございました。

 Posted by at 10:20 PM

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